「三番叟」は、芸能の原点とも言われる演目で、狂言の中で最高の格式を持つ演目です。
能楽の源流とも言うべきふるい芸能の面影を残した曲で、
きわめて祭儀的な演目でもあります。
と、いつになく小難しい話になってしまいますが、そこは狂言の歴史の深さ、懐の深さということで。喜劇ではありますが、ただの「お笑い」ではない、伝統芸能としての格式を感じていただければと思います!
五穀豊穣を祝う大変おめでたい演目で、今でも新年の初会や、柿落としなど記念すべきときに上演されます。
さらにこの狂言の「三番叟」は、歌舞伎や舞踊など後世の芸能にも、影響を与えた曲として知られています。
歌舞伎や舞踊を観に行かれて、「○○三番」(大抵、何かアレンジされているので形容詞がつきますね)という演目があれば、この「三番叟」が元になっているものです!
ちなみに、よく間違われますが「さんばんそう」と読まないように、ご注意下さい。
三番叟とは、三番目の翁・老人ということですが、能の「翁」で千歳・翁・三番叟と登場すると良くわかるのではないでしょうか。
さて「三番叟」は、前半の揉の段、後半の鈴の段と二つの段があり、躍動的な揉の段に、厳かな鈴の段と非常に対照的です。
「揉の段」は、数年前、ネスカフェのCMでの宗家の勇姿をご記憶の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
いていただけたら、ありがとうございます(笑)。
物語ではないので、解説のしようがありませんが…。とにかく「かっこいい」のです。
「三番叟」は演じるとは言わず「踏む」と言います。それほどに、足拍子が印象的な演目でもあります。
美しい型に加えて、躍動感溢れる足拍子。お囃子には日本の音楽がこれほどかっこいいものかと思わされます。
日本人ならば、きっとDNAを揺さぶられるはず!
しかし、この演目ほど「百聞は一見に如かず」という言葉がぴったりなものはありません。
是非ぜひ、一度ご覧いただきたいものです。
※2005年7月4日の和泉会別会では、宗家が小書き(特殊演出)をつけて上演しました。
「三番叟~声ヲ引、橋掛リノ伝、四方正面ノ伝~」
これまた、かっこいい…の一言でした。
通常の「三番叟」を知っていればこその、驚きも!
千葉市若籐区 千葉市桜木公民館
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和泉流宗家 加賀能登事務所
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090-8026-2810